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2021.08.17
コラム

アニメ背景の制作方法は?ゲーム背景との違いや制作に必要なスキルを解説

アニメではキャラクターがメインとなっているので、背景はおまけのような印象となっている人もいるでしょう。確かに主役ではありませんが、背景はキャラクターの魅力やアニメの世界観を引き出すためにはとても重要です。

そんなアニメの背景はどのように制作されているのでしょうか。ここでは、アニメ背景の制作方法や制作に必要なスキルなどを解説していきます。

アニメ背景の制作方法が知りたい、アニメの背景美術はどういった仕事をしているのか知りたいという方は、ぜひ参考にしてください。

目次

アニメの背景美術とは

アニメの背景美術とは、文字通りアニメ作品の背景を作成することです。アニメでは必ずキャラクターの後ろに、街中や空、海、森などの背景が存在します。背景は、キャラクターが今どこにいるのか、朝なのか夜なのかなどの情報を視聴者に伝わるための重要な役割です。

背景美術は、ただ絵がうまいだけではいけません。キャラクターの色味や身長、立ち位置、ストーリー内の時間経過など、アニメのストーリーやキャラクターに合わせて描かなければいけない、とても難しい仕事です。

2Dと3Dの違い

2Dは、静止画を1枚ずつ描いてつなげることで動いているように見せています。簡単にいうとパラパラ漫画のような方法です。

一方で3Dは、PCで立体的な3D背景を制作します。2Dのような平面の空間把握とは異なる立体的な視点が必要とされますが、カメラワークの視点変化などにも対応しやすいことから昨今では多くのアニメで使用されている手法です。

2Dは数秒しか映らないような背景や動きの変化が少ない背景で主に使用されています。3Dは、デザインが複雑な背景、作中で何度も使用される背景、視点やアングルが変わりやすいアクションシーンの背景などで使用されることが多い傾向です。

2Dや3Dをシーンや用途によって使い分けることで、アニメ背景をより効率良く制作できるようになってきています。

ゲーム背景との違い

アニメの背景は、それほど動きのないシーンでも絵は常に動き続けており、完全に制止した状態はほとんどありません。

しかし、ゲーム背景は動きのないシーンもあります。立ち絵ベースのゲームなどは特に、キャラクターやセリフだけ変わって背景はそのままストーリーが進んでいくというのも珍しくありません。

その他のゲームでも、プレイヤーが進めなければストーリーは進みませんし、プレイヤーが動かなければ画面も動かないでしょう。

そのため、ゲーム背景は静止した状態で見てもおかしくならないよう、正確な作り込みが求められます。

一方で、アニメは動かないシーンがほとんどない、必要な背景が多いことなどから、描き込みの量よりも背景の枚数のほうが重要です。もちろん一定の質は求められますが、奥の見えにくい部分やキャラクターと関わらない部分はある程度手を抜いて効率的に背景を制作するのも大切でしょう。

アニメの背景美術の仕事ってどんなことをするの?

アニメの背景美術の仕事は、美術設定の作成、美術ボードの作成、背景原画を元に背景作成、必要に応じてリテイクを行いながら完成という流れです。

美術設定とは背景の設計図のようなものです。背景は美術設定を元に作られていくため、最初のフローでありながらもとても重要な役割を果たしています。

美術設定が完成したら、それに色を塗って作品の色合いの方向性を決めていく美術ボードの制作です。その後、美術ボードのデザインや色合い、原画を元に背景スタッフが実際の背景を作り上げていきます。

背景スタッフは、外注やフリーランスなども含めたさまざまな人が関わる、1番人数が必要なセクションです。最近では、美術設定から3Dを使用して効率化を図る制作会社も増えています。

アニメの背景美術の仕事について気になる方は、「アニメの背景美術とは?背景美術の制作方法や必要な環境などを解説」をご参照ください。

アニメ背景は3つの班に分かれて制作されている

アニメの背景美術の仕事は何をするのか、どんな流れで制作するのか気になる人も多いでしょう。ここでは、アニメの背景美術の仕事について解説していきます。

アニメの背景美術は主に、設定、背景、3Dの3つの班に分かれて制作しており、それぞれで役割が違います。班ごとの仕事内容を解説していくので、アニメ背景の制作に興味がある方は参考にしてみてください。

設定

美術設定では、アニメの背景デザインを実際に線画で描き出します。原作や監督との打ち合わせなどからヒントを掴みつつ、アニメ作品にあったデザインをしていくことになります。

設定の段階で特に求められるのが、パースで奥行きまでしっかりと表現できる力や細部に渡るデザインセンスです。

また、線画に色を付けて作品の色味を決定していくという役割もあります。全体的な作業管理、イメージ通りの背景が制作されているかの品質管理なども行う重要なポジションです。

背景

背景スタッフは、美術ボードや原画などを元に背景を描いていくのが仕事です。いかに効率良く大量の絵を制作できるかがポイントで、イラスト1枚で見せる1枚絵を描くような丁寧さよりもスピード感が求められます。

原画は細かい部分まで描かれていないこともあるため、背景スタッフはどれだけ空白部分や不十分な部分を補えるかが大切です。

背景スタッフには社員だけでなく、フリーランスや外注に依頼して制作することも珍しくありません。

3D

3D背景は、PC上で立体的な背景を作って2Dに落とし込んでいきます。複雑な背景でも簡単に視点が切り替えられるなどのメリットがあり、近年では3D背景の需要が高まっている傾向です。

さらに、有名アニメの背景で3Dが使用されていたり、美術設定から3Dを利用したアニメがあることなどから、今後アニメ業界での3D背景の需要がさらに高まるのが予想できます。そのため、今後最も重要となるポジションともいえるでしょう。

アニメ背景の制作に必要なスキル

アニメ背景の制作方法について解説してきましたが、実際に作っていく上ではどんな能力が求められるのでしょうか。

ここでは、アニメ背景の制作に必要なスキルを紹介します。

  • 背景画の知識と技術
  • 専用ソフトを扱うスキル

アニメ背景の制作で主に求められるのは上記の2つです。それぞれの内容を紹介していくので、見ていきましょう。

背景画の知識と技術

アニメ背景では、背景とキャラクターをマッチさせるのが重要です。リアリティのあるキャラクターにポップな背景やデフォルメされたキャラクターに写実的な背景では、違和感があって視聴者はストーリーやキャラクターの動きに集中できません。

背景ではパースやアイレベルなどの基本的な知識の他、さまざまな画風で背景を描く技術も必要です。さらに、大量の背景を描けるだけのスピード感も求められます。速筆もアニメ背景を制作していく上での重要な技術の1つです。

専用ソフトを扱うスキル

現在のアニメ背景は、デジタルで描かれることがほとんどです。そのため、アニメ背景を制作していく上では、AdobeのPhotoshopなどは最低限使えなければいけません

さらに、ペンタブレットの使用にも慣れておいたほうが良いでしょう。鉛筆やペンで紙に描くのとペンタブレットを使うのでは仕様が全く違うので、背景を制作する際には使えるようにしておくべきです。

また、3D背景に興味がある場合は、3D制作ソフトも使えたほうが良いでしょう。

アニメ背景は専門会社でないと難しい

アニメ背景は制作に求められるスキルや仕事量が多いため、アニメ背景専門会社に依頼するのが確実です。

アニメ背景専門会社に発注するメリットとしては、以下の2点があげられます。

  • アニメ背景は物量が多い
  • スケジュールが厳しい

それぞれの理由を詳しく解説していくので、参考にしてみてください。

アニメ背景は物量が多い

アニメ背景は、30分アニメで200~400枚、劇場アニメでは1500カット程度が目安といわれています。1人のスタッフが1週間で20〜40枚描かなければいけないというのも珍しくありません。

外注やフリーランスに頼れるとしても、それだけの枚数をこなせるだけのスタッフと人手を集めるのは大変です。

アニメ背景専門会社では多くのスタッフが作業をしているため、枚数が多くても対応が可能となっています。

スケジュールが厳しい

アニメは約3カ月単位で1クールとなっており、人気のアニメでは2クールと放映されることも多いです。クールごとに締め切りがついて回るため、「描けませんでした」、「間に合いませんでした」というのは許されません。

短い期間の中で膨大な量の背景を描いていかなければならず、締め切りに間に合うようなスケジュール管理や質を落とさないための采配などが求められます。

アニメ背景専門会社に依頼すれば背景制作のプロがそういった部分も行ってくれるので、アニメ制作の負担がかなり少なくなるでしょう。

アニメ背景の依頼をご検討中の方は、「アニメ背景美術会社に依頼するときの流れとよくある質問」の記事も参考にしてみてください。

アニメ背景の制作ならCreativeFreaks

アニメ背景制作でお困りの方は、CreativeFreaksにご相談ください。CreativeFreaksは人気テレビアニメやアニメ映画などに携わっており、制作実績も豊富です。

「映画 鬼滅の刃 無限列車編」

歴代興行収入1位を記録し、社会現象まで起こした大人気アニメ「鬼滅の刃」の劇場版、「鬼滅の刃 無限列車編」の背景美術を担当しました。キャラクターたちが夜の列車の中で激しく戦う様子をより迫力ある映像にできるよう背景を制作しております。

「映画 天気の子」

2019年の大ヒット映画「天気の子」の背景美術に携わりました。キャラクターたちが生きるリアルな街中を詳細に描写し、キャラクターたちが生き生きと動く様子を表現するための背景を制作しています。

まとめ

アニメの背景美術とは、文字通りアニメ作品の背景を制作することです。アニメ背景美術は、美術設定の作成、美術ボードの作成、背景原画を元に背景作成、必要に応じてリテイクを行いながら完成という流れで行われています。

アニメ背景の制作は物量が多くスケジュールも厳しいため、専門会社でなければ難しいでしょう。さらに、背景画の知識や技術、専用ソフトを扱うスキルなども求められます。

アニメ背景制作の人手が足りない、スキルがある人が少ない、背景制作にまで手が回らないという方は、CreativeFreaksにご相談ください。お問い合わせはこちらから受け付けております。


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