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アニメの背景美術デザイナーになるには|やりがいや仕事内容を紹介
日本のアニメは、海外でも高く評価されています。キャラクターが魅力的でストーリーが面白いというのはもちろんですが、アニメ背景が美しいという点でも評価されているのが日本のアニメです。
自分でもそんな背景を描きたい、将来アニメの背景美術デザイナーになりたいと思っている人も少なくないのではないでしょうか。この記事では、アニメ背景美術デザイナーになるにはどうすれば良いのか、仕事内容や求められるスキルなどをお伝えします。
目次
アニメの背景美術デザイナーとは
アニメの背景美術デザイナーは、アニメの背景や背景に登場する小物などを設定して描いていく仕事です。細かく分けると、背景を設定する担当者や、小物を設定する美術担当者などに分かれますが、同一人物が担当するケースもあります。
アニメ背景は、キャラクターの魅力を引き出したり、キャラクターの気持ちをより表現したり、アニメの世界観を作り出したりなど、さまざまな役割を果たしています。そのため、アニメ背景美術デザイナーも、アニメを完成するために欠かせない重要な役割を果たしているといえます。
背景美術デザイナーに関する職種
アニメの背景美術デザイナーに関する職種には、美術監督、美術設定、背景という職種があります。それぞれ行っている仕事内容に違いがあるため、それぞれの仕事について見ていきましょう。
美術監督は、作品全体の背景についてまとめる役割をしています。背景を担当するスタッフ全員をまとめて指揮を取るのが監督です。スタッフへ的確に指示を出さなければいけないため、経験がなければ務まりません。アニメ背景を制作する際は、美術監督を補佐する役割として美術助監督がつく場合もあります。
美術設定は、アニメの背景を線画にする仕事です。美術監督と連携を取ってアニメ背景のイメージを固めていき、背景に映る小物なども決めて描いていきます。このとき、距離感なども正確に測らなければならないため、物の形や寸法をしっかり把握できる能力も必要とされています。
背景の仕事は、美術監督や美術設定からの指示に従って背景を完成させていく仕事です。1本のアニメを作るだけでもかなりの枚数の背景を描かなければいけないため、クオリティと同時にスピードも求められます。
どの職種であっても、背景に関しての深い理解と知識が必要ですし、各メンバーと連携するためのコミュニケーション能力も重要です。
背景美術デザイナーに関する職種は、「アニメ美術として働くなら?役割や仕事内容」でも詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
背景美術デザイナーになるには?
背景美術デザイナーになりたいと思っていても、どうすればなれるのか分からないという人も少なくないですよね。背景美術デザイナーになる一般的な方法として、美術系の大学か専門学校に通って背景会社に就職する方法があります。
この方法だと、背景美術に関する知識も身に付けられますし、すでに先輩が背景会社に就職していて就職のノウハウがあるというケースもあるでしょう。
大学や専門学校で美術を専攻していない場合は、未経験からでも働ける会社を探して、実務経験を積んで成長していくというような流れになります。
「アニメ背景の求人で求められる条件は?応募後の流れも解説」の記事で、アニメ背景会社の求人に応募する際の注意点などを紹介していますので、求人への応募をお考えの方は、こちらもご参照ください。
背景美術デザイナーに求められるスキル
背景美術デザイナーになるにはどうすれば良いのかについて解説しましたが、実際に働く際にはどのようなスキルが求められるのでしょうか。ここでは、背景美術デザイナーに必要とされるスキルについて紹介します。
デッサン力・画力
背景美術デザイナーになるには、デッサン力や画力が必要です。正しい背景を描くためにデザインの技法をマスターしなければいけませんし、デザインソフトの使い方も知っておく必要があります。特に、近年はデザインソフトを使って描くアニメが増えているため、基本的なソフトの操作方法を知っていないと採用されるのが難しくなる可能性が高いです。
柔軟性
背景美術デザイナーは、クライアントの要望に柔軟に対応できる力が必要です。描いた背景の色味がイメージと違う、もう少し角度を変えて、このような小物を追加してなど、さまざまな要望が出るだけでなく、ざっくりとした形からクライアントが期待する背景に仕上げなければならないケースもあります。いわれたことをすぐに実行できるような柔軟性が必要です。
忍耐力
背景美術デザイナーは、忍耐力がなければ務まらない仕事です。細かな作業を1日中机の上で行いますし、1シーンずつ細かく背景を描いていくのは根気のいる作業といえます。コツコツと作業を続けられる人でないと、厳しいでしょう。
コミュニケーション能力
アニメは多くのスタッフと連携して作り上げていくので、コミュニケーション能力が必要になってきます。連携が取れていなければ、アニメのクオリティを上げるのも、スケジュールまでに完成させるのも難しいでしょう。もちろん1人でコツコツと作業をすることも大切ですが、アニメ制作にはスタッフ同士の協力も不可欠です。
背景美術デザイナーに必須の画力を磨く方法
背景美術デザイナーには画力が必須と紹介しましたが、画力を向上させるにはどうすれば良いのでしょうか。ここでは、画力を磨く方法を解説していきます。
ひたすらスケッチやデッサンを行う
うまくなるためには経験が重要なので、まずはひたすらスケッチやデッサンを行いましょう。スケッチは素早く描くための訓練になりますし、デッサンは立体表現を身に付けるのに役立ちます。また、背景写真の模写なども画力を磨く練習方法としておすすめです。
パースやアイレベルなどの知識も身に付ける
背景では遠近感が重要になります。不自然な背景にならないように遠近感や立体的に描く方法をマスターしていなければいけません。さらに、キャラクターとのバランスも考慮する必要があります。パースやアイレベルなど、絵を描く際の技法を取り入れながらデッサンの練習をしていきましょう。
背景美術デザイナーに関するQ&A
背景美術デザイナーとして仕事をしたいけれど、いざ働くとなると気になるのが収入面ではないでしょうか。また、背景美術デザイナーが自分に向いている職業なのか知りたい、やりがいが気になるという方もでしょう。
そういった疑問をお持ちの方のために、背景美術デザイナーに関するQ&Aを紹介します
収入の目安は?
背景美術デザイナーの収入は、未経験から背景専門会社に入社して仕事する場合、月給17万円くらいが一般的でしょう。ここから、経験を積んでどんどんできる仕事が増えていけば収入も上がっていきます。経験者の場合は最初から高い給料をもらえる可能性が高いです。
フリーランスで働く場合は、1カットおよそ2,000円~4,000円が相場となっています。すでに経験を積んでいて技術があるという方はフリーランスを検討してみるのも良いでしょう。
向いている人は?
アニメ背景美術デザイナーは、作品に向き合ってコツコツ仕事ができる人に向いています。1つの背景に長い時間をかけるので、コツコツした作業が苦になる場合は向いていません。
また、アニメが好きで特に風景が好きという気持ちがなければ、仕事に楽しみを感じにくいでしょう。ここで注意したいのが、絵を見るのが好きなのではなく、絵を描くのが好きという方であるということです。自分でこんな背景を描きたい、自ら技術を磨いていきたいという人であれば、仕事に楽しみを見出せるでしょう。
やりがいは?
アニメ背景美術スタッフは、とてもやりがいがある仕事です。自分が描いた背景がアニメの中に登場したら、感動してしまうこと間違いなしでしょう。アニメ映画に携わった際に、エンドロールで自分の名前が流れたのが大きなやりがいにつながったという人もいます。背景美術は裏方でありながらもアニメにとっては重要なポジションなので、やりがいを実感できる仕事です。
まとめ
この記事では、アニメ背景美術デザイナーになるにはどうすれば良いのか、仕事内容、魅力などをお伝えしました。アニメ背景美術デザイナーになるには、美術系の大学か専門学校に通って背景会社に就職する方法が一般的です。
デッサン力や画力、柔軟性、忍耐力、コミュニケーション能力が求められるので、これらのスキルを身に付けることを意識しておくと良いでしょう。
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