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2022.08.20
コラム

アニメの美術監督になるには?仕事内容や年収と合わせて紹介

「アニメが好きだからアニメに関わる仕事がしたい」と思っていたり、「アニメの美術監督に興味があるけど具体的にどんな仕事をするの?」と疑問を抱えていたりする人も多いのではないでしょうか。

この記事では、そんな方々に向けて、アニメの美術監督の役割や仕事内容、アニメの美術監督になるにはどうすれば良いのかなどを解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。

目次

アニメの美術監督の役割は?

アニメにおける美術監督は、作品全体の世界観を決める役割を担っており、背景の雰囲気や色使いといった作品の方向性を決めるのが主な仕事です。アニメ全体を統括する監督や演出の担当者と打ち合わせを行い、話し合いながら方向性を決めていきます。また、背景美術の制作に携わるスタッフをまとめるのも美術監督の役目で、作業が円滑にいくように指示を出すなどのスケジュール管理も行います。

アニメの美術監督の仕事内容

アニメの美術監督の主な仕事は、背景制作スタッフを取りまとめることです。具体的に挙げると、まず背景設定や美術設定があります。背景設定は、アニメに登場するキャラクターが暮らす世界の設定を決めるものです。山や川などの自然が多い環境、都会的な街並みが続く都市、近未来的な世界、ファンタジーな世界など、アニメによって必要な背景は異なります。

また、美術設定は、アニメの背景に登場する小物を細かく設定するものです。これらの背景制作のスタッフたちに指示を出したり進捗を管理したりするのが主な仕事となります。

美術監督になるには

アニメの美術監督になるにはどうすれば良いのでしょうか。ここでは、美術監督になるまでの一般的な流れを解説していきます。

美術系の専門学校や大学に通う

アニメの美術監督を目指す場合、美術系の専門学校や大学に進学して美術やデザインについて学ぶ人が多いです。美術系の専門学校や大学では、絵を描くための幅広いテクニックや表現力を身に付けるカリキュラムが豊富にあります。単に知識を得るだけではなく、実際に作品作りをしながら実技を身に付けていくことが可能です。

作品作りの時間が多くとられていることで、デッサン力や構成力なども鍛えられます。絵の知識を持った先生に指導してもらえるため、自己流で学んでいくよりもアニメ制作に必要なスキルが身に付けやすいでしょう。

アニメ制作会社に入社する

アニメの美術監督は、美術系の専門学校や大学を卒業した後すぐになれるというものではありません。美術監督は、アニメの背景美術に携わるスタッフをまとめる立場です。そのため、背景制作の業務に誰よりも精通している必要があります。

学校を卒業した後は、アニメ制作会社に入社して経験を積みながらキャリアアップしていくのが一般的です。背景制作の仕事を数多くこなすことでスキルも向上しますし、実力が認められれば美術助監督や美術監督といったポジションにキャリアアップしていくことができます。

背景美術

背景美術の制作スタッフは、美術監督や美術助監督から指示された通りに背景を描くのが仕事です。アニメでは30分のストーリーでも、膨大な数の背景が必要になります。そのため、何人かで分担して作業を行っていく必要があるのです。

アニメ制作会社に入社した場合、最初は背景美術を描くことからスタートします。自分の描いた背景が実際のアニメで使われているのを見ることができるので、非常にやりがいを感じられる仕事です。

背景美術については、「アニメの背景美術デザイナーになるには|やりがいや仕事内容を紹介」の記事で詳しく解説しています。

美術設定

美術設定はアニメにおける背景の線画、いわゆるアニメの背景の設計書のようなものを描き出す仕事です。美術監督が担う場合もありますが、最近のアニメ制作会社では美術監督が行うことは少なく、美術設定と呼ばれる独立のポジションがあります。

美術監督と打ち合わせを行いながら、背景のデザインの原案を制作します。美術監督の指示に沿って描く場合もありますし、美術設定が自ら提案を行う場合もあるでしょう。ただ描けば良いというわけではなく、建物や物の寸法を測り自然に描く技術が求められます。

美術助監督

アニメの美術助監督は、美術監督をサポートする仕事になります。アニメの総監督や演出の担当者と話し合って方向性を決めるのが美術監督ですが、スタッフのスケジュール管理など実務全般は美術助監督が任されることが多いです。

背景美術のスタッフに指示を出したり、納期に遅れないように進捗を管理したりする役割を担います。背景美術の制作には手間も時間もかかるので、円滑に進めるためにはきちんと進捗をコントロールする人が欠かせません。監督や演出担当者から背景美術に関する要望が出されたときには、臨機応変に対応します。

美術監督

美術監督は、アニメの背景美術を総合的に統括する役目を担います。背景美術の制作スタッフ一人一人に直接指示を出すことは少なく、美術助監督やチームのリーダー的な立場にある人に指示を出すことが多いです。背景の指針となる美術ボードを描くのも美術監督の仕事で、美術ボードの作成は作品全体の基盤を固める重要な作業です。そのため総監督や演出の担当者とじっくりと話し合い、修正を繰り返しながら作り上げていきます。なかなか話がまとまらずに、時間がかかってしまうこともあります。

アニメの美術監督に求められる能力

背景制作スタッフを取りまとめるアニメの美術監督では、さまざまな能力が求められます。

  • 背景のデッサン力
  • 専門ソフトを扱うスキル
  • コミュニケーション能力

順番に見ていきましょう。

背景のデッサン力

アニメの美術監督になるには、背景を描くためのデッサン力が必要です。デッサン力は絵画の基礎となるもので、見た物を客観的に捉えて再現する能力になります。デッサン力は練習を積み重ねることで向上するので、日頃のトレーニングが欠かせません。アニメの背景が緻密に描き込まれていると、作品のクオリティが上がります。そのため、高いデッサン力があることは非常に重要です。美術系の専門学校や大学ではデッサンを基礎から学べます。

専門ソフトを扱うスキル

美術監督に限らず、背景美術の仕事に携わるには専門ソフトを使いこなせるスキルも必要です。アニメの業界で使われているソフトを挙げると、PhotoshopやIllustrator、CLIP STUDIO PAINTなどが挙げられます。

近年のアニメ制作ではこういった専用ソフトを使用して業務を行っているので、使い方がわからないと仕事になりません。美術監督の場合には、仕上がったものをチェックしたり修正の指示を出したりすることもあります。専門ソフトを扱えることは基本といえるでしょう。背景美術の仕事を行っていくうちに身に付いていきますが、背景制作の求人に応募する際には使用経験があった方が採用される確率が高いので、自分でも勉強して経験を積むと良いでしょう。

コミュニケーション能力

アニメの制作には、大勢の人が関わっています。分業制なので自分の分担をきっちりこなすという意識も必要ではありますが、協力して作品作りに取り組んでいるという意識も重要です。特に、アニメの美術監督はスタッフを取りまとめる立場にあるため、よりスタッフと関わる機会が多く、コミュニケーション能力は不可欠といえます。

自分の想いや考えをきちんと言葉にして伝え、相手の意見にも耳を傾けることで何か問題点が発生した場合でも解決策を導き出すことができます。

これらのスキルを身に付けて、背景美術や美術監督の求人に応募したいという方は、まずは「背景美術の求人はどこを見れば良い?確認しておくべきポイントを紹介」の記事も参照してみてください。

アニメの美術監督に関するQ&A

ここまで、アニメの美術監督について解説していきましたが、まだまだ気になる点があるという人もいるのではないしょうか。ここでは、アニメの美術監督を目指している人が気になる疑問にまとめてお答えしていきます。ぜひ参考にしてみてください。

給料や年収は?

美術監督を含めたアニメの制作者の平均年収は440万円ほどとされています。専門学校や大学を卒業してアニメ制作会社に入社した場合、月収は20万円前後です。そこから徐々に経験を積み重ねてスキルアップするにつれて、年収も増えていきます。

美術監督は美術背景チームを統括する立場になるため、年収は平均よりも高くなり、500万円以上になるでしょう。年収は勤務するアニメ制作会社によって異なるので、実際の年収には幅があります。事前に働きたいアニメ会社の年収は、求人などで確認しておくようにしてください。

必要な資格は?

アニメの美術監督になるのに、特別な資格は必要ありません。ただし、アニメ制作会社の求人募集では、独自に条件を設定していることも多いです。例としては、美術系の専門学校や大学を卒業している、PhotoshopやIllustratorなどデザインソフトの使用経験があるなどといった条件が設定されていることがあります。応募したい求人に条件が設定されていないか、事前に確認しておきましょう。

求められる人物像は?

アニメの美術監督に向いている人は、アニメ制作に対する情熱があり客観的に物事をとらえられる人です。アニメが好きというのは大前提ですが、より良い作品を作りたいという気持ちが強い人の方が妥協せずに優れた作品を生み出せます。

しかし、制作の現場では急いで仕上げなければいけない場合もありますし、トラブルが発生することも珍しくありません。そういったときに臨機応変に対応するには、物事を客観的に捉えられる視点が必要です。何か問題が起きた時にもパニックになることなく、冷静かつ柔軟に対処できることが求められます。

CreativeFreaksの背景美術スタッフの求人

CreativeFreaksでは、美術監督を募集しています。詳しい内容は下記の通りです。

  • 美術監督

CreativeFreaksでは、ゲームやアニメーションの背景原画や美術制作を担当する背景美術スタッフを募集しています。

雇用形態:契約社員・正社員・業務委託契約

給与形態:経験・能力を考慮の上、ご相談可能

勤務時間:10:00~19:00

仕事内容:アニメーション、ゲームなどの背景原画、美術制作担当など

Adobe Photoshopの使用経験があること、背景画を大学や独学で履修していることなどが応募条件として挙げられます。美術監督として働きたいという方は、お気軽にお問い合わせください。

まとめ

アニメの美術監督は、背景美術を総合的に統括する仕事です。その作品の世界観を決め、方向性を示す非常に重要な役割を担っています。アニメの美術監督になるには、美術系の大学や専門学校でイラストについて学んでからアニメの制作会社に入社し、背景美術などを経験しつつ徐々にステップアップしていくのが一般的です。

美術監督になるには、背景を描くためのデッサン力や専門ソフトを扱うためのスキル、コミュニケーション能力などが求められるため、しっかり身に付けておきましょう。CreativeFreaksのアニメ美術監督の求人についてさらに詳しく知りたい方は、「採用情報」ページからご覧ください。


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